TVCMや街中の広告でよく見かける「過払い金請求」。
過払い金請求とは、債務整理の1つの方法であり、的な借金解決方法の1つでもあります。
一体どういう手続になるのでしょうか?ここでは過払い請求の基礎的なことやメリットおよびデメリット等について、解説していきます。
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そもそも過払い金請求とは?
債務整理における「過払い金」を簡単に言えば、金融会社に対して法律的に必要以上に返済した金です。
利息制限法で定めた金利を計算し直した時、実際は借金がなくなっていたのに、それ以上支払っていたお金のことです。これは民法で定めた不当利得に当たり、適切ではない形で受け取っていたお金に相当するため、不当利得返還請求権として返還を求めることができます。過払い金請求とは、不当利得返還請求権を元にしたものです。
ではなぜ過払い金のようなことが発生するのでしょうか?
かつて貸金業法では、出資法で定める金利以内であれば、利息制限法の金利を超えて貸し出すことが認められていました。いわゆるグレーゾーン金利であり、約30パーセント近い金利が掛けられていました。過払い金請求の基本的な計算方法は、この約30パーセント近い金利を利息制限法の金利に引き戻して行うことです。
しかし過払い金には時効があり、最後の取引から10年となっています。
ただし再び借り入れした場合、過払い金も変わってきます。二度目以降の借り入れが一連の取引と見られるか分断と取られるかは、個々の状況によっても変わってくるようです。
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どんな人が過払い金請求の対象か?
過払い金請求には、対象となる人がいます。これは新貸金業法が改正され、利息制限法と出資法の規定の違いを利用した、いわゆるグレーゾーン金利が禁止になったことが影響しています。対象となる人は、次の2つのどれかに当てはまる人です。
(1)2008年12月以前にカードローン等を利用していた人
(2)カードローンの完済から10年以内の人
(1)の人は、新貸金業法の改正前に借金をしていた人になります。(2)に関しては、時効が10年であるため、最後の取引から10年以内の人となるのでしょう。
もし過払い金請求を考えているのであれば、自分が対象となるのか否かをきちんと弁えておくべきです。もしそうでないのであれば、過払い金請求ではない債務整理などを選択する必要があるでしょう。
過払い金請求のメリットとデメリットも知っておこう
どんなことにもメリットとデメリットがあるように、過払い金請求にもあります。ではどのようなものになるのでしょうか?
まずメリットは、カードローンやキャシング等の債務がなくなることです。そして高い利息分を支払っていたため、お金が戻ってくることもあります。利息制限法と出資法では約10パーセントの金利差があるため、それが大きな要因でしょう。
またデメリットしては、いわゆるブラックリストに載る可能性があることです。もっともブラックリストと言っても冊子のようなものではなく、指定信用情報機関の金融事故歴のことです。
この信用情報機関の金額履歴に金融事故記録が載ってしまうと、その間は新たな借金ができなくなります。
過払い金請求の場合は完済済みの場合は新たに信用情報機関に履歴が残ることはありません。返済中の場合に過払い金返還請求を行うと任意整理扱いになるため載ってしまう可能性があります。
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過払い金請求は自分でもできる?
法律に伴う権利については、当事者が行うことができます。
過払い金請求は民法の不当利得返還請求権にもとづいているため、当然自分で行うことができます。しかし相手はプロの金融機関であり、交渉しなければなりません。希望通りの結果へ導けるかは不透明でしょう。そのため法律専門家に依頼する方が無難です。
報酬などが発生するため、コストは掛かります。けれどもプロを相手にするのであれば、プロの法律家に任せる方が物事がスムーズに運ぶでしょう。
法律専門家であれば、弁護士や司法書士になり、中でも弁護士は法律行為全般の代理行為ができます。いわばオールマイティーな法律家であり、安心して依頼できる可能性があります。しかしその分報酬が高めであることも、十分承知しておくべきでしょう。
なお司法書士では限度額が決まっています。これは判例によって示されましたが、過払い金請求であれば総債務額が140万円以下であれば、交渉などができるとされています。弁護士には、このような決まりはありません。
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まとめ
過払い金請求は、民法の不当利得返還請求権に基づいた行為であり、余計に支払っていたお金の利息分を再計算し、借金の整理をすることです。
状況によってはお金が戻ってくることもありますが、2008年12月以前、あるいは、10年以内に完済した借金が対象となります。自分でも行うことができますが、弁護士や司法書士などの法律専門家に依頼した方が、スムーズな解決に導くことができるでしょう。