自己破産からの復活

この物語は実話です。自己破産しても人生はやり直せます。

自己破産からの復活物語

第5話【恐怖】滞る借金返済からの取り立て

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起業から1年経たずして2名の起業メンバーが去り、代表取締役の私と取締役1名の計2名となりました。

なんとか毎月固定で定期的に発注を貰えるのクライアントやウェブ制作だけではなく月額料金でSEO対策の契約などもあり、当初ほどのペースで資金が減少しなくなったとは言えやはり苦しい状況は変わりませんでした。

完全に資金がショートする日がじりじりと迫ってきているのは明らかでした。

そして、ついに最後の創業メンバーである取締役が会社を去ることになります。

 

 

 

最後の仲間も去る

ケンカ別れ

 

創業から1年が経過し、なんとか売上が上がる月もありましたが厳しい状況は変わらずでした。徐々に資金が乏しくなり、この先1、2ヶ月でも売上が減れば資金がショートすることは目に見えておりました。

そんな中最後の創業メンバーである元部下の取締役が辞任の申し出をしてきます。その頃には取締役とは毎日のように喧嘩・言い合いをし、お互いの心もすさんでおりまともに仕事ができる状況でありませんでした。辞任の申し出を受け取ります。すでに上場している大手インターネット企業に転職が決まっているようでした。

 

最後の創業メンバーもまた創業のときに出資をしていたので、その分の株式を買い取る必要がありました。株式を買い取るために私は限度額いっぱいまでキャッシングをし、それでも足りない分は自分の車を売却して株式買い戻し資金に当てました。車を売った金をそのまま取締役に渡したときは涙がこみ上げてきました。このころ完全に私自身はぶっ壊れておりました。

 

結局、本当に意味でリスクを取ったのは代表取締役1名です。他の創業メンバーは出資した金額を退職時にそのまま返してもらっているのと、代表取締役名義で借り入れした借金で遅配することなく給与を払い続けておりました。そしてベンチャー企業の創業メンバーということで全員優良企業への転職をしました。結局、代表者私一人が多額の借金を背負うことになったのです。

 

起業した時に、とある先輩社長に「仲の良いメンバーが一緒に起業するのは良いけれど、儲かったときには喧嘩になるから今のうちから気をつけておいたが方が良いよ。」なんてアドバイスを頂いておりましたが、儲かって喧嘩をしたかったです。

儲からないことが原因で心がすさみ、部下に当たり散らし、一人、また一人と去っていき、ついに2006年春に私一人の会社になりました。

 

 

孤独の経営

孤独

 

私一人の孤独の経営がはじまります。元々代表取締役として孤独さは常々感じておりましたが、一人になったことでより孤独を感じるようになりました。

人間、誰にも評価されな事がこんなに辛いことだとは考えたこともありませんでした。サラリーマンの時は、良い仕事したら褒められる、失敗したら叱責されますがアドバイスも貰える、完了したタスクに対して「よく出来たね」「ここはこう直したほうが良いよ」とアドバイスを貰えたり自分の仕事に対して評価を貰えます。

孤独の経営者は誰からも評価されません。褒めてくれる人もアドバイスしてくれる人もいません。誰にも評価をされず仕事を続けることがこれほどまでに辛い、ということをこの時初めて知りました。

 

そして私に襲い掛かってきたのは孤独さだけではありませんでした。一人で負のオーラを発しながら経営していたせいもあり徐々に顧客も去っていきます。仕事が無くなっていくのです。

毎日夜うなされます。毎晩眠りにつくことが出来ず、やっと寝ても1、2時間経つと恐怖で飛び起きます。目が覚める、ではなく「うああああああー!」と発狂とともに飛び起きるのです。

朝、歯を磨けばそのまま流し台に嘔吐し、髪の毛には白髪が増え、目の下のくまが濃くなり、まともな精神状況ではなくなっていきました。

「俺の人生は終わったな・・・」という言葉が毎時間のように頭に浮かんで来ました。

 

 

借金取りからの取りて開始

そして、ついに借金の返済が出来なくなる時が来ました。法人として一番借りていた新銀行東京には事前に電話連絡をして返済リスケの依頼をしてました。しかし当時の新銀行東京もいっぱいいっぱいだったのでしょう。一切のリスケ案には応じてもらえませんでした。「払えないなら払えないでしょうがないでしょう。こちらは引き続き口座から引き落としをかけますよ。」という回答でした。

次に個人で借りまくっていた複数社に渡るキャッシング・カードローンも返済ができなくなります。この頃には借金で借金を返していたため法人・個人合わせて1,000万円近い借金に膨らんでおりました。

携帯電話には着信が嵐のように来ます。これでもう仕事も出来なくなりました。元々この頃には仕事らしい仕事もありませんでしたが。

 

最後の取締役が辞めたときにオフィスは引き払っていたので都内の自宅にこもっておりました。毎日誰かが訪問してきます。玄関のチャイムを誰かが毎日鳴らします。怖くてドアスコープで除くことも出来ず、まさに布団をかぶって怯えておりました。革靴の足音が聞こえ、部屋の前で立ち止まり誰かがチャイムを押すたびに心臓がバクバクなるのでした。

 

自ら人生を終わりにすることも頭をよぎります。そんな状況でも親に頼れなかったのです。

数年前、田舎で農業をやっている親の反対を押し切り「俺はおやじとは生き方が違うんだ!俺は俺のやり方で成功してみせる」と啖呵を切って上京してきたまま数年間こちらから連絡を拒否していたので今更頼れなかったのです。

 

ただ幸いにも「何かに負けたくない」という気持ちが僅かながら残っており、なんとか「人生を終わらせる」という選択をせずに住みました。

代わりに私は「逃げる」という道を選びました。

自宅の賃貸契約を解約し、部屋にあった売れるものをすべて売払い、なけなしの金をかき集め地方に逃走をします。

 

 

会社を捨て逃走

逃走

 

会社のホームページや電話番号、登記をそのままにして千葉県へ逃げます。なぜ千葉県なのかというと実家が千葉県にあったから、だったんでしょう。

千葉県にある地方都市で敷金・礼金を限りなく抑え保証人無しで借りれるボロアパートに逃げ込みます。私は2階に部屋を借りたのですが、1階の部屋はホームレスのような身なりの中年男性がゴミ溜めのような状態で住んでいて、何日も風呂に入ってないせいか、アパート中にものすごい異臭を発しておりました。

 

ここで仕事を探します。借金取りに追われている身でもあったので、普通の会社では働けない、と。

また、昔はまがりなりにも大手インターネット企業でマネージャーとして年収1,000万円近くもらい、その後起業して代表取締役まで努めた人間です。知らない中小企業で働きたくないという意味のないプライドもありました。

 

知り合いに会うこと無く、更には履歴書もいらないような仕事を探していたら、キャバクラのボーイの求人がありました。

 

3年前は東京の大手インターネット企業でマネージャーとして働き、毎晩のように六本木のクラブを飲み歩いていた男が、わずか3年後に多額の借金を背負い千葉県の地方都市でキャバクラのボーイの仕事を始めるのでした。

 

次回:第6話【逃走】逃亡生活その1:身を隠しキャバクラのボーイの仕事を始める

 

 

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金(かね)太郎

金(かね)太郎

2005年に起業したものの2008年に経営に行き詰まり借金地獄へ。その後逃走するかのように地方を転々とする。地方の中小ブラック企業で働きながら弁護士費用を貯め、2012年に自己破産をする。その後ホワイト上場企業への就職・結婚・出産、2016年についに念願のクレジットカードを手に入れる。 借金地獄から自己破産、そして復活までを余すこと無くご紹介いたします。

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