自己破産からの復活物語

この物語は実話です。自己破産しても人生はやり直せます。

自己破産からの復活物語

第3話【焦燥】立ち上がらない事業

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なんとか事業立ち上げ費用・運転資金を融資で集める事ができましたが、これから実際に事業を立ち上げ営業活動をしてしっかりと売上を上げ従業員に給与を払い、オフィスの家賃を払い、借金返済をしなければなりません。

組織体制としては代表取締役として私が1名、元部下で1名が取締役、残り2名が社員というという構成。創業メンバー全員の自己資金で500万円、外部出資1名300万円、外部金融機関からの買入500万円というスタート時の資産状況でした。

これから新たなに事業を始めるに余りにも少なすぎる資金でした。

 

 

 

のしかかる支払いと借金返済

のしかかる支払いと借金返済

 

2005年当時はレンタルオフィスなるものはまだまだ少なく、どこからしらオフィスを借りる必要がありました。とはいえ正式なオフィスビルを借りるには敷金(保証金)が10ヶ月分程度かかるのが一般的で、その資金は無かったので、4人の机が並べられオフィス仕様ができるようなマンションを借りることにしました。安いところを探しも都内だと家賃で12万円程度、敷金・礼金・前家賃合わせれば50万円くらいの支払いは必要となります。そこを契約し中古で安いデスクと椅子を購入し、そして4人分のノートPC(1台15万円程度)も購入。分割払いができるものはなるべく分割払いをして支払いを先送りにし。

 

そして、何より一番負担として大きかったのは給与の支払いです。元々それなりに派手に売上を伸ばしていた大手インターネット企業でそこそこの給料をもらっていたメンバーを誘っていたので20代中盤のメンバーが主体とは言え月給で30万円、40万円が必要でした。

これでもメンバーには「立ち上げ間もないベンチャー企業だから」と理解してもらっての給与水準。私自身は創業資金のため個人でも数百万円単位でキャッシングをしておりそれらの借金返済に毎月10万円以上は必要だったので役員報酬40万円と設定。もう1名の役員にも同じ金額です。

 

この資金状況で会社を立ち上げるにはもっと給与水準を下げなければならないのはわかっていたのですが、それが出来ませんでした。当時の税理士にも「この資金状況で全員給与が高すぎますよ」と言われましたが出来なかったのです。

人間、収入が下がっても現在の生活水準を下げるということは出来ず、無理してでもそれまでの生活を維持しようとします。お金が無いなら会社員時代にローンで購入した外車も手放すべきなのでしょうが、どんなに資金状況が苦しくも毎月高いローンと駐車場台を払ってまで所有し続けてしまうのです。本体は事業が立ち上がるまではボロアパートにでも引っ越せば良いものを、人間それが出来ないのです。意味のないプライドで「あいつ会社起こして経営苦しくなって車売ってボロアパートに引っ越したんだぜ」て言わるのが嫌だったのもあります。

もちろん今なら「収入が下がったら、それに応じて生活水準を下げる」というのは迷いなく出来ます。世間体なんて関係ありません。しかし当時は「収入が下がったても今の生活水準を保つために更に借金をする」ということを繰り返しておりました。

 

給料の支払いがきつい

 

役員報酬40万円×2名、従業員2名に月給40万円と30万円ということで単純に給与の支払いだけでも150万円が毎月掛かっておりました。借金もしてかき集めた資金1,300万円で初期家賃、OA機器購入、什器関連購入費用を払ってますので、売上が経たなければ半年で資金ショートして支払いができなくなる計算です。新規で事業起こしたら半年間売上0なんてことは良くあります。始まったときには自己破産への道へ歩んでいたのです。

このコトに心の底から気がついたのは起業して2ヶ月程たった頃でした。

 

夢と希望に溢れて起業しよう!と決意したにも関わらず実際に起業したときにはすでに資金ショートが目前に迫っている。どうしてこんな事になってしまったのか・・・今ならわかりますが当時は知る術がありませんでした。

 

 

立ち上がらない事業

立ち上がらない事業

 

売上を上げるための事業として2つありました。一つはウェブサイト制作。当時かなりウェブサイト制作費の値下げが進んでいたと言えども、まだまだ新たにサイト立ち上げ、2つ目のサイト立ち上げを考えている企業・事業主は多数いました。私の会社では、そういった会社に営業活動をして受注した制作案件を別の制作会社に外注するというスタイルでした。

私達の会社は営業力も制作力もなく立ち上げないため信用もない会社でしたので、主に零細企業・個人事業主をターゲットとして営業活動を行いました。新規サイト立ち上げでも制作費15万円〜30万円程度という当時では格安で設定しておりました。外注費は売上の50%〜70%程度です。1サイト売れても10万円〜20万円程度しか粗利として残りません。

全員の給与と家賃払うためには毎月最低10サイト以上の制作案件を受注し続けなければなりません。当然その件数は4人では無理なのです。

 

そしてもう一つの事業がブログサービスの運営です。これは自社で開発者がおらず自社開発が難しかっため、外部の開発会社とのパートナーシップを考えておりました。

当時タイミングよく「ブログサービスを開発したもののユーザーが思うように集まらない、またマネタイズが上手く行ってなくサービスの売却を検討している」という会社がありました。ブログサービスとユーザー3,000サイト付きで破格の300万円での売却です。そして同じタイミングで外注企業も見つかり、サービスのリニューアル・新機能開発などに掛かる費用を格安にしてもらう代わりにレベニューシェア(このサービスから上がった収益をお互い折半)という契約体型で受けてくれる開発会社とも出会うことが出来ました。

結果的に契約がまとまるまで半年ほどかかりましたが、このブログサービスを300万円で購入して、外部開発企業とのレベニューシェアでの事業を運営する事も決まりました。

ただ、このブログサービスからはまったく収益が上がらないかったのです。

 

起業仲間との確執が始まる

ブログ運営サービスは時間を書けて主力事業に育てる予定でしたので、それまでの間はウェブサイト制作事業で食い繋ぐしかありません。

しかし当然4人で毎月10サイトも受注し続けることなんて出来ません。またクライアントと外注制作会社の間に入っていたので、納品・修正の繰り返しで検収完了するまで思っている以上に時間が掛かり、受注から入金までが遅くなる為キャッシュフローがどんどん悪化しました。そして受注を取れば取るほどクライアントと外注制作会社の間に入ってのディレクションに日々追われ新たな受注が難しくなるのです。

当時のメンバーの中には「このままでは会社がたち行かない。毎月数千円でもストック型のビジネスを持たなければ駄目です!」と進言する優秀な部下もおりました。

しかし当時の私は焦りと若さで「そんな数千円のストックいくら作ってたところでいつ黒字化するんだ!そんな文句はいいから1件でも多く受注を取ってこい!」と厳しく言い返えしてしまうのでした。

今ならストック収入の大事さはよくわかります。彼の進言が正しかったのも良く分かります。今なら間違えなくストック収入を組み合わせた事業を考えます。

 

そんな経営センスもなく、将来性もなく、また人間性が崩れていった私の元から1人、また1人と仲間が去っていくのでした。

 

次回:第4話【内紛】去っていく仲間たち

 

金太郎(自己破産経験者)
自己破産すべきかどうか迷っている人はこちらの記事もご覧になってくださいね。実際に自己破産をした私が断言します。

 

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金(かね)太郎

金(かね)太郎

2005年に起業したものの2008年に経営に行き詰まり借金地獄へ。その後逃走するかのように地方を転々とする。地方の中小ブラック企業で働きながら弁護士費用を貯め、2012年に自己破産をする。その後ホワイト上場企業への就職・結婚・出産、2016年についに念願のクレジットカードを手に入れる。 借金地獄から自己破産、そして復活までを余すこと無くご紹介いたします。

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