自己破産からの復活物語

この物語は実話です。自己破産しても人生はやり直せます。

自己破産からの復活物語

第3話【焦燥】立ち上がらない事業

更新日:

立ち上がらない事業

 

当初の予定よりは高金利にはなったもののなんとか事業立ち上げ費用・運転資金を融資で集める事ができました。

これから実際に事業を立ち上げ営業活動をしてしっかりと売上を上げ従業員に給与を払い、オフィスの家賃を払い、借金返済をしなければなりません。(前回『第2話【借金】高金利で借金をする』)

設立した会社の組織体制としては代表取締役として私が1名、元部下で1名が取締役、残り2名が社員というという構成。創業メンバー全員の自己資金で500万円、外部出資1名300万円、外部金融機関・カードローンでの買入500万円というスタート時の資金状況でした。

◆起業スタート時の資金状況

自己資金:500万円(創業メンバー3名の合計)

外部出資:300万円(個人投資家より)

銀行融資:300万円(金利8%)

カードローン:200万円(金利15%で2社)

合計 1,300万円

 

これから新たなに事業を始めるに余りにも少なすぎる資金額です。そして金利が高すぎたのは火を見るより明らかでした。

 

 

のしかかる支払いと借金返済

のしかかる支払いと借金返済

 

事業をはじめるにはどこかしらオフィスを借りる必要がありました。少人数であれば今でこそレンタルがありますが、2005年当時はまだまだ少なかったのです。

とはいえ正式なオフィスビルを借りるには敷金(保証金)が10ヶ月分程度かかるのが一般的で、そんな資金は無かったので4人の机が並べられオフィス仕様ができるようなマンションを借りることにしました。

安いところを探しも都内だと家賃で12万円程度、敷金・礼金・前家賃合わせれば50万円くらいの支払いは必要となります。なんとか契約をして中古で安いデスクと椅子、そして4人分のノートPC(1台15万円程度)も購入。

分割払いができるものはなるべく分割払いをして支払いを先送りに一度にキャッシュがでないようにしました。

 

高すぎる給与設定

何より一番負担として大きかったのは給与の支払いです。大手インターネット企業でそこそこの給料をもらっていたメンバーを誘って起業したので20代中盤のメンバーが主体とはいえ月給で30万円、40万円が必要だったのです。

これでもメンバーには「立ち上げ間もないベンチャー企業だから」と理解してもらっての給与水準。

私自身は創業資金のため個人でも数百万円単位でキャッシングをしており、それらの借金返済に毎月10万円以上は必要だったので役員報酬40万円と設定。もう1名の役員にも同じ金額です。

 

この資金状況で会社を立ち上げるにはもっと給与水準を下げなければならないのはわかっていたのですが、それが出来ませんでした。当時の顧問税理士にも「この資金状況で全員給与が高すぎますよ」と言われましたが出来なかったのです。

人間は収入が下がっても現在の生活水準を下げるということは簡単にできません。無理してでもそれまでの生活を維持しようとします。

お金が無いなら会社員時代にローンで購入した外車も手放すべきなのでしょうが、どんなに資金状況が苦しくも毎月高いローンと駐車場台を払ってまで所有し続けてしまうのです。

本来は事業が立ち上がるまではボロアパートにでも引っ越せば良いものを、人間それが出来ないのです。

意味のないプライドで「あいつ会社起こして経営苦しくなって車売ってボロアパートに引っ越したんだぜ」て言われたくない、というのものありました。

 

給料の支払いがきつい

 

役員報酬40万円×2名、従業員2名に月給40万円と30万円ということで単純に給与の支払いだけでも150万円が毎月かかります。

高金利で借金をしてかき集めた資金1,300万円で家賃初期費用、OA機器購入、什器関連購入費用を払っているので売上が経たなければわずか半年で資金ショートして支払いができなくなる計算です。

新規で事業起こしたら半年間売上0なんてことは良くあります。

 

事業が始まったときにはすでに自己破産への道を歩んでいたのです。

 

そのことに気がついたのは起業して2ヶ月程たった頃でした。

夢と希望に溢れて起業しよう!と決意したにも関わらず実際に起業したときにはすでに資金ショートが目前に迫っている。どうしてこんな事になってしまったのか…当時は知る術がありませんでした。

 

 

立ち上がらない事業

立ち上がらない事業

 

売上を上げるための事業として2つありました。

一つはウェブサイト制作。当時はウェブサイト制作費の値下げが進んでいたと言えども、まだまだ新たにサイト立ち上げ、2つ目のサイト立ち上げを考えている会社はたくさんありました。

私が立ち上げた会社では、これからウェブサイトを作ろうとしている会社に営業活動をして、受注しら別の制作会社に外注するという事業内容でした。

私達の会社は営業力も制作力もなく立ち上げ間もないため信用もない会社でしたので、主に零細企業・個人事業主をターゲットとして営業活動を行いました。

新規ウェブサイト制作でも制作費15万円〜30万円程度という当時では格安に設定。外注費は売上の50%〜70%程度です。1サイト売れても10万円〜20万円程度しか粗利として残りません。

全員の給与と家賃払うためには毎月最低10サイト以上の制作案件を受注し続けなければなりません。当然その件数は4人では無理なのです。

 

将来性のない新規事業

そしてもう一つの事業がブログサービスの運営です。これは自社で開発者がいなかったので自社開発が難しく外部の開発会社とのパートナーシップを考えておりました。

当時タイミングよく「ブログサービスを開発したもののユーザーが思うように集まらない、またマネタイズが上手く行ってなくサービスの売却を検討している」という会社がありました。

ブログサービスとユーザー3,000サイト付きで破格の300万円での売却です。そして同じタイミングで外部開発企業も見つかり、サービスのリニューアル・新機能開発などに掛かる費用を格安にしてもらう代わりに「このブログサービスから上がった収益をお互い折半」という契約体型で受けてくれる開発会社とも出会うことができました。

 

結果的に契約がまとまるまで半年ほどかかりましたが、このブログサービスを300万円で購入して外部開発企業との収益折半で運営する事も決まりました。

結果としてこのブログサービスからはまったく収益はあがりませんでした。

 

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起業仲間との確執がはじまる

部下との確執

ブログ運営サービスは時間を書けて主力事業に育てる予定でしたので、それまでの間はウェブサイト制作事業で食い繋ぐしかありません。

しかし当然4人で毎月10サイトも受注し続けることなんて出来ません。またクライアントと外注制作会社の間に入っていたので、納品・修正の繰り返しで検収完了するまで思っている以上に時間が掛かりました。そのため受注から入金までが遅くなる為キャッシュフローがどんどん悪化していきます。

受注を取れば取るほどクライアントと外注制作会社の間に入ってのディレクションに日々追われ、新たな受注が難しくなるのです。

 

当時のメンバーの中には「このままでは会社が立ち行かない。毎月数千円でもストック型のビジネスを持たなければ駄目です!」と進言する部下もおりました。

 

しかし当時の私は焦りと若さで「そんな数千円のストックいくら作ってたところでいつ黒字化するんだ!そんな文句はいいから1件でも多く受注を取ってこい!」と厳しく言い返してしまうのでした。

 

彼の進言が正しかったのも良く分かります。冷静になれば毎月◯◯円というストック収入を組み合わせた事業を考えます。

 

そんな経営センスもなく、将来性もなく、また人間性が崩れていった私の元から、1人また1人と仲間が去っていくのでした。

 

次回

次回:第4話【内紛】去っていく仲間たち

 

金太郎(自己破産経験者)
自己破産すべきかどうか迷っている人はこちらの記事もご覧になってくださいね。実際に自己破産をした私が断言します。

 

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金(かね)太郎

金(かね)太郎

2005年に起業したものの2008年に経営に行き詰まり借金地獄へ。その後逃走するかのように地方を転々とする。地方の中小ブラック企業で働きながら弁護士費用を貯め、2012年に自己破産をする。その後ホワイト上場企業への就職・結婚・出産、2016年についに念願のクレジットカードを手に入れる。 借金地獄から自己破産、そして復活までを余すこと無くご紹介いたします。

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