任意整理をしたいと考えているけれども、どの様な手続きでどの様な書類を作らなければいけないのかわからないという方は多いのでは無いでしょうか。
任意整理は金融機関との交渉で金利引き下げと支払い期間の延長の取り決めを行う整理の方法で、自己破産と違い裁判所に提出する決まった書類は必要ありません。
ただし、金融機関には自身の状況とどの様にして返して行くのか説明する書類を提出しなければいけません。
一般的に任意整理時に金融機関に対してどの様な書類を提出すればいいか、任意整理の流れと共に解説します。
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1.債務調査票を作成
任意整理の手続きで最初に行うのは、『債務調査』を行うことになります。
金融機関は自社の債務額は知っていても、あなたの債務の内訳と返済に当てられる収入は把握できていない為、交渉時に明らかにする必要があります。
『債務調査票』を作成するためにはクレジットカード会社や消費者金融、銀行からの契約書、領収書、催促状などを用意し、借入金額、返済金額、利息を明らかにします。
これらの資料が無い場合は債権者に対して請求を行うといいでしょう。
2.利息制限法に照らし合わせ整理案の作成
利息制限法の上限金利は18%ですが、2010年より以前の消費者金融では29.2%で融資を行う業者が主流でした。
この差は『過払金』と呼ばれ、本来払う必要がある金利ではありません。
そこで任意整理を機に、払い過ぎている過払金を割り引いて計算をしなおし、金融機関に対して『整理案』を作成します。
10年前だと既に時効が過ぎていると思われる方もいると思います。
現在を2017年として、2007年以前に借りた借金の過払金請求はできないのかというと違います。
『過払金』の時効は完済してからスタートしますので、2000年に借り始めて、その後毎月返済をしたけど完済まで至らなく連続性を伴い8年間借りたとするなら時効は2018年になるので間に合います。
『過払金』の金額なんてたいした事ないだろうと思われがちですが、皆さんが思っている以上に返ってきます。
なぜなら『過払金』は繰上げ返済扱いになり、利息を割り引くと返済期間の途中で完済している場合が多く、払い過ぎていた金利に対しては利息もつく可能性があるからです。
利息制限法に照らし合わせた計算で残債の削減どころか、完済扱いになったり過払金が戻ってきたりする場合もあります。
3.『整理案』に基づき、各金融機関と交渉
『整理案』が出来たら個別に金融機関と交渉を行い、合意を得ていきます。
あなたとしては余裕がある無理がないような返済期間と金利で合意したいところですか、金融機関としては回収に手間がかかるため中々合意しようとはしません。
近年では利息制限法を守っている金融機関しかいないため、任意整理の交渉に応じる理由が無いと考える金融機関も増えています。
整理案には自分の事ではなく、金融機関の意向も尊重し3年から5年で完済できる様な案を盛り込まないと厳しいでしょう。
弁護士や司法書士など法律の専門家に交渉してもらうとすんなり行く事もあり、面倒臭い交渉もやってくれます。
4.合意したら『承諾書』の作成
整理案に合意が得られたら、整理案の内容の通りに返済を行なっていきます。
合意が得られたら念のため金融機関から『承諾書』を記入してもらうといいでしょう。
金融機関側からは『和解書』の提出を求められる事もあります。
なお、一度和解書を締結すると別の過払金があったとしても請求は困難になりますので、過払金請求の計算はキチンと漏れがなく行う様にしましょう。
まとめ
任意整理に必要になる書類は、他の債務整理方法とは比べ物にならないくらい少ないです。
利息制限法に引き直した計算などは複雑ですので、専門家に依頼した方が確実な債務整理を行なってくれます。